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第四回 ある顧客からの質問と中国化司法鑑定人張瑾氏からの回答

大変お世話になっております。
お問い合わせについて次の通りに回答致します。

①問

司法鑑定文書には、司法鑑定書、司法鑑定検査報告書、司法鑑定文書、証拠審査意見書、 司法鑑定相談意見書があることを知った。しかし、これらの内容、区別が分からない。特に、これら間の相違がよく分からない。 どのように区別されるのか。

1、司法鑑定書
 司法鑑定書とは、司法鑑定人が依頼された専門的な問題に鑑定結論を出した上で提出した鑑定文書である。 この司法鑑定書の提出要件は、提供された鑑定資料は不備がなく、従来の技術手段を用い、分析、比較によって鑑定結論が得られることとなっている。 鑑定対象は文字資料、実物などを含む。

2、司法鑑定検査報告書
 司法鑑定検査報告書とは、司法鑑定人が検査工具を用い、科学設備を利用し、依頼された検査対象を検査した上で提出した報告書である。 この司法鑑定検査報告書の特徴は、特定の検査対象を検査するが、如何なる分析と説明を加えずに、客観的に検査、測定又は実験の結果を反映することとなっている。
 検査機構の検査資質は国家の認証部門の認証を得なければならない。知財鑑定機構はすべて検査設備を持っておらず、検査活動の資質もないので、司法鑑定報告書しか出せない。 知財鑑定の時に、もし依頼された鑑定事項に検査データが必須の場合は、普通、検査の資質のある機構に依頼し、検査報告書を作ってもらうことになる。 そして、鑑定機構は、検査結果に基いて司法鑑定書を作ることになる。
例1、
 
 
 
特許の保護範囲に回路の比較と増幅機能及び比較の過程と増幅データが記載されているが、侵害容疑の実物が特許の保護範囲に入っているかどうかの鑑定は、 実物を観察しても判断できず、検査依頼の必要が出てくる。 前述のように、検査報告書は検査データのみで提供されるので、知財鑑定機構はこのデータに基いて実物と特許は同一又は同等化を判断することになる。
例2、
 
 
 
 
 
 
 
 
企業秘密侵害の鑑定
某容疑者がある印刷インクの配合方法を盗んで、他の企業の生産に使われたと通報を受け、 通報人と公安機関は知財司法鑑定機構に権利侵害容疑品が企業秘密製品の成分と含有量一致しているかどうかの鑑定を依頼した。 知的財産権鑑定機構は、まず資質のある化学品検査機構に両者の印刷インクを検査させ、検査で得られたデータに基いて両者は一致しているかを判断する。 ここで特例がある。もし、知財司法鑑定人の資格を持つ人が、ある検査機構の人間であれば、彼は自分の機構での検査手段を使い、データを得られた上で、 知財鑑定報告書を作ることができる。また、公安当局も鑑定を依頼する前に、予め、検査機構に検査データの依頼もできる。 そして、検査データと他の資料と一緒に知財司法鑑定機構に提出し、この機構に司法鑑定報告書を作ってもらうことになる。

3、司法鑑定文書証拠審査意見書
 司法鑑定文書証拠審査意見書とは、司法鑑定人が依頼された審査の鑑定文書に基づいて、分析、比較し、該鑑定文書を客観的に審査と評価を行った上で提出した審査意見書である。 実際のところ、上記文書証拠審査意見書を求めるケースは稀である。要するに、提出された司法鑑定報告書に対する再審査を行うのである。
 法律で鑑定機構が提出した鑑定報告書に対する文書証拠の審査は禁じられていないが、訴訟中に、往々にして文書証拠審査意見書が採用されない。 世論の同情を得られる場合を除いて、文書証拠審査意見書の法律力は小さい。 もし、司法鑑定機構が提出された鑑定報告書に不満がある場合は、合理的な証拠と理由を提出し、裁判所に補足鑑定又は鑑定のやり直しを請求しなければならない。 裁判所は申請者の請求を検討し、鑑定報告書は明白な不備があって、案件の審理に支障をきたしていると判断した場合は、 普通、別の鑑定機構に依頼し、鑑定のやり直しを行うのが一般的である。文書証拠審査意見書を直接採用することはない。

4、司法鑑定相談意見書
 司法鑑定相談意見書とは、司法鑑定人が依頼された相談又は鑑定結論の出せない専門的な問題に対して提出した分析意見書である。 司法鑑定相談意見書の提出は下記のような場合である。①訴訟案件と係りなく、依頼人は参考として利用したい場合。 ②訴訟の準備の為、依頼人は司法鑑定報告書を依頼する前に先ず簡易鑑定の結論を得て、後、有力な証拠を補足する場合。 ③鑑定の資料、検査材料の不備、技術条件の制限などの理由で鑑定結論が得られない場合。

②問

当事者からの訴訟前鑑定にも関係するのか。

 当事者は実際の状況に基づいて、上述の1,2,4の鑑定の方式を選択し、依頼することはできる。

③問

司法鑑定書と司法鑑定文書の違いは何なのか。

 司法鑑定文書は司法鑑定機構が提出された書証の通称である。司法鑑定文書は通常、訴訟手続きで利用される。 司法鑑定書は司法鑑定文書の中の一つである。

④問

司法鑑定といった場合、上述のこれら全部をいうのか

 司法鑑定といった場合は、上述のこれら全部をいうのである。ニーズに基づいて選択することはできる。

⑤問

司法鑑定件数統計はこれら全部を含めていっているのか

 司法鑑定件数の統計は一般的には裁判所からの依頼件数を指すもので、これら全部を含めていないのである。

⑥問

これら文書の各統計はあるのでしょうか

 今は、最高裁判所は各地の裁判所が審理中の案件の中で、どの位の司法鑑定が行っているかは把握していない。 司法鑑定の行政機関が毎年統計しているが、各鑑定機構からの鑑定件数の自己申告に頼っている。 しかし、鑑定の種類は複雑で、大多数の司法鑑定は監察医鑑定、医療事故鑑定、筆跡文書鑑定、視聴資料鑑定、 電子データ鑑定、工事コスト鑑定、製品の品質鑑定、交通事項鑑定、司法会計鑑定、価値評価等、 知的財産権関連の案件の件数は全ての民事、刑事事件に占める割合は少なく、且つ、全ての知的財産権に鑑定する必要はなく、 よって、知識財産権の案件の件数は相対的に少ない。
 ところで、近年、知的財産権の案件の件数は早いペースで上昇しており、中国裁判所から公表された統計によると、 2009年、全国地方裁判所は、新規及び審決の知的財産第一審民事案件は、それぞれ、30626件と30509件であり、 それぞれ前年より25.49%と29.73%増加した。
 新規第一審案件の訴訟金額は、308495万元(約45225万ドル)であった。
   其の中、新規特許案件は、4422件で、前年より8.54%増;
   商標案件は、6909件で、前年より10.80%増;
   著作権案件は、15302件で、前年より39.73%増;
   技術契約紛争案件は、747件で、前年より19.9%増;
   不正競争案件は、1282件で、前年より8.19%増;
   その他の知的財産案件は、1967件で、前年より46.79%増となった。
 年間審決の渉外知的財産権一審民事案件は、1361件で、前年より19.49%増;
一審審決した香港、マカオ、台湾に関する知的財産案は、353件で、前年より56.89%増加した。 年間新規及び審決した知的財産第二審案件は、それぞれ5340件と5492件で、それぞれ前年より12.21%と16.88%増加した。 新規と審決再審案件は、それぞれ100件と107件で、それぞれ前年より1.96%減と50.7%増になった。 なお、2008年8月1日独禁法が実施された以来、2009年末まで、全国地方裁判所は、第一審独禁法民事案件の新規受理及び審決数は、 それぞれ、10件と6件であった。
 2009年、最高裁における新規と審決の知的財産民事案件は、それぞれ243件と336件(既存を含む)であった。 其の内、新規再審案件は、176件、審決は、263件(既存を含む)であり、全国裁判所の知的財産審判に対する監督及び指導の機能を確実に果たした。

⑦問

どのような場合にどう活用されるのかが分かるのか。

 訴訟のニーズに基づいて鑑定を利用することである。 簡単に言うと、知的財産権訴訟が生じた場合は、例えば、特許侵害、企業秘密侵害、コンピュータソフトウエア侵害、技術契約紛争等、 技術に係る問題と判断された時に、当事者主張の事実に真実性があると証明する為に、中立的な司法鑑定機構に依頼し、司法鑑定書を作ってもらうべきである。 場合によっては、各種類の鑑定は同時に行うことも可能である。 例えば、特許侵害と企業秘密鑑定における化学製品の成分、組み合わせ物の成分及び含有量の分析、電子製品の機能検査など、 知的財産権鑑定機構が提出した司法鑑定書又は司法鑑定相談意見書は司法鑑定検査報告書の検査データに基づいて問題を説明する必要がある。
 
以上
コメント:
正式な書類は、司法鑑定報告書のみです。
中国司法鑑定についてご質問があります時にはご一報下さい。
中国司法鑑定人に問合せ致します(回答不可の場合は、ご容赦願います)。
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